近年はキャッシュレス決済の普及が進んでおり、イベントやマルシェへの出店が増える中、現金のみの対応では売上機会を損なうリスクが高まっています。
この記事では、イベント出店に適したPOSレジの条件・選び方・おすすめ5選を、費用の目安やデジタル化・AI導入補助金の活用方法とあわせて解説します。
イベントでPOSレジを使うメリット
イベント出店では、限られた時間の中で多くのお客様の会計をスムーズに行う必要があります。現金のみの対応では、おつりの準備や手計算によるミスが起きやすく、混雑時には会計待ちが長くなりがちです。
また、経済産業省の調査によると、2023年のキャッシュレス決済比率は39.3%に達しています。キャッシュレス決済を利用する人が増える中、現金のみに対応していると、購入機会を逃す可能性があります。こうした出店時の課題をまとめて改善しやすい点が、POSレジを活用する大きなメリットです。
ここでは、イベント出店で特に実感しやすい3つのメリットを紹介します。
参考:2023年のキャッシュレス決済比率を算出しました|経済産業省
キャッシュレス決済に対応できる
クレジットカードや電子マネー、QRコード決済など、お客様が希望する決済方法を幅広く受け付けられるようになります。近年は現金を持ち歩かない方や少額のキャッシュレス払いを好む方が増えているため、複数の決済方法に対応することは売上を伸ばすうえで直接的な効果があります。
特にイベントでは、現金の準備を忘れた来場者や外国人観光客への対応にも役立ちます。
会計スピードが上がる
POSレジを使えば、商品をタップするだけで金額が自動計算されるため、手計算や金額の打ち間違いが減ります。レシートの発行も自動化でき、1件あたりの会計時間を短縮できます。混雑しやすいイベントの会計列を解消できるため、お客様の満足度向上にも直結します。
売上データをその場で確認できる
どの商品がいくつ売れたか、時間帯ごとの売上推移はどうかをリアルタイムで確認できます。出店中に在庫切れを把握したり、次回のイベントに向けた仕入れの参考にしたりと、経営判断に直結したデータを手軽に得られます。
クラウド型のPOSレジであれば、スマートフォンからいつでも確認が可能です。
イベント向けPOSレジに必要な条件
屋外のイベントやマルシェでは、店舗向けのPOSレジがそのまま使えるとは限りません。持ち運びのしやすさや電波環境への対応など、イベント特有の条件を満たしているかどうかを事前に確認することが重要です。
導入後に「思っていたものと違った」と後悔しないよう、イベント向けPOSレジに求められる4つの条件を整理します。これらをチェックリストとして活用してください。
コンパクトで持ち運びやすい
イベント出店では、机の上に設置するスペースも荷物を運ぶ手間も最小限に抑えることが重要です。スマートフォンやタブレットで動作するモバイル型POSレジなら、専用端末を別途用意する必要がなく、荷物を減らせます。
カードリーダーも小型のものが多く、ポーチやバッグに収まるサイズのものを選ぶとよいでしょう。
電波のない環境でも使える
屋外イベントや地下会場など、Wi-Fiが使えない・モバイル回線が不安定な環境での出店も珍しくありません。オフラインモードに対応したPOSレジを選べば、通信が途絶えても会計を続けられます。回線が戻った際にデータが自動同期される製品を選ぶと、売上データの抜け漏れを防げます。
複数の決済方法に対応している
現金、クレジットカード、交通系IC、QRコード決済(PayPay・楽天ペイなど)に幅広く対応しているPOSレジが理想です。
来場者の属性や年齢層によって好まれる決済方法は異なるため、できるだけ多くの選択肢を用意することで機会損失を減らせます。契約する決済サービスの種類によって手数料が異なる点も確認しておきましょう。
料金体系がシンプルである
月に数回しか出店しない場合、月額固定費が高いPOSレジは割高になります。無料プランや使った分だけ課金される従量制のプランを持つPOSレジなら、出店頻度が少なくてもコストを抑えられます。
初期費用・月額費用・決済手数料の3つを比較し、自分の出店スタイルに合った料金体系を選ぶことが大切です。
イベント向けPOSレジの選び方
イベント向けPOSレジは製品の種類が多く、何を基準に選べばよいか迷いやすいカテゴリです。機能や費用だけでなく、自分の出店スタイルや販売環境に本当に合っているかどうかを基準にすることが重要です。
ここでは、後悔しない選び方のポイントを4つに絞って解説します。無料トライアル期間がある製品については、事前に実際の操作感を試してから判断することをおすすめします。
出店頻度で選ぶ
月1〜2回程度の出店であれば、月額無料または低コストのプランを持つPOSレジが向いています。一方、週に複数回出店する場合は、機能が充実した有料プランでも費用対効果が高くなります。年間の出店回数と平均売上をもとに、月額費用と売上増加効果を比較して判断するとよいでしょう。
電波環境で選ぶ
出店場所の電波状況は事前に確認しておくことが重要です。屋外や地下、山間部のイベントではモバイル回線が不安定になることがあります。そのような環境で使う場合は、オフライン決済に対応したPOSレジを選ぶ必要があります。事前にテスト環境で動作確認をしておくと安心です。
決済手数料で選ぶ
イベントでは1件あたりの客単価が低い商品を多く扱うことも多いため、決済手数料の割合が利益に直接影響します。決済手数料は製品によって2〜3.75%前後と差があります。
月額費用と手数料のバランスを考慮し、想定される月次売上をもとに実質的なコストを試算してから選ぶことをおすすめします。
設置・操作の手軽さで選ぶ
イベントでは設営から撤収まで時間が限られています。起動に時間がかかるPOSレジや、設定が複雑なものは出店の負担になります。直感的なタッチ操作で使えること、商品の登録が簡単にできることを確認しておきましょう。
無料トライアル期間を活用して、実際の操作感を事前に試すことをおすすめします。
イベント出店向けPOSレジおすすめ5選
数あるPOSレジの中から、商品管理・売上管理・決済の機能をすべて単体で備えた製品を厳選しました。月額無料で使えるものから多機能な有料プランまで、出店スタイルに合わせて選べるよう幅広く紹介します。各製品の特徴と費用の目安をあわせて確認してください。
| 名称 | 月額費用 | 主な特徴 | 提供元 |
|---|---|---|---|
| Square POSレジ | 無料(決済手数料3.25〜3.75%) | 小型端末・シンプル料金 | Square株式会社 |
| Airレジ | 無料 | 初期費用・月額0円 | 株式会社リクルート |
| スマレジ | 無料〜(プランにより異なる) | 多機能・高拡張性 | 株式会社スマレジ |
| STORESレジ | 無料〜(スタンダードプラン3,300円〜) | 商品管理・EC連携・売上分析 | STORES 株式会社 |
| ユビレジ | 6,900円〜 | 飲食特化・充実サポート | 株式会社ユビレジ |
Square POSレジ

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な機能 | 在庫管理・商品管理・顧客管理・データ分析 |
| 月額費用 | 無料(決済手数料3.25〜3.75%) |
| 対応決済 | クレジットカード・電子マネー・QRコード |
| おすすめポイント | コンパクトな端末とシンプルな料金体系 |
Square POSレジは、初期費用・月額固定費ゼロで始められるクラウド型POSレジです。カード決済端末と一体型で提供されており、POSレジと決済機能をまとめて導入できます。スマートフォンひとつで会計処理を始められるため、イベント出店時の荷物を最小限に抑えられます。
クレジットカード・電子マネー・QRコード決済に対応しており、来場者の支払い手段を選びません。決済手数料制で、月額固定費がかからないため、出店頻度が低い場合でも余計なコストが発生しない点が魅力です。
商品管理・在庫管理機能も備えており、当日の販売数や在庫残数をリアルタイムで把握できます。Squareのオンラインショップと連携すれば、EC販売も行えます。荷物をコンパクトにまとめてイベントに臨みたい方や、キャッシュレス対応を始めたい方におすすめです。
Airレジ

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な機能 | 在庫管理・商品管理・顧客管理・データ分析 |
| 月額費用 | 無料 |
| 対応決済 | Air PAY連携でクレジットカード・電子マネー・QRコード |
| おすすめポイント | 月額・初期費用ゼロで始められる |
Airレジは、iPad専用のクラウド型POSレジです。アプリ本体は無料で利用でき、初期費用をかけずにPOS機能を導入できる点が魅力です。シンプルな会計操作で直感的に使えるため、イベント当日にスタッフが変わっても短時間で操作できます。
Airペイとの連携により、クレジットカード・電子マネー・QRコード決済をまとめて受け付けられます。売上レポート・商品別売上・時間帯別集計など基本的な分析機能も備えており、イベントごとの売上比較や人気商品を把握できるでしょう。
レジ画面のレイアウトは商品ボタンの配置をカスタマイズでき、当日のメニューに合わせた配置に整えられます。周辺機器はリクルート推奨品を選べばスムーズに設定でき、レシートプリンターとの連携も簡単に行えます。
イベント出店に低コストでPOSレジを導入したい方に向いています。
スマレジ

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な機能 | 在庫管理・商品管理・顧客管理・データ分析 |
| 月額費用 | 無料〜(プランにより異なる) |
| 対応決済 | クレジットカード・電子マネー・QRコード |
| おすすめポイント | 機能の豊富さと拡張性の高さ |
スマレジは、イベント出店から常設店舗まで幅広い業態で使える汎用性の高いクラウド型POSレジです。無料プランから利用できるため、出店コストを抑えて導入できる点が特徴です。iPad・iPhoneに対応しており、普段使いのデバイスをそのまま活用できます。
オフラインモードにも対応しており、通信が不安定な屋外イベント会場でも基本的な会計処理を継続できる点が魅力です。クレジットカード・電子マネー・QRコード決済など主要なキャッシュレス決済に対応しており、来場者の支払い手段を広くカバーできます。
売上データはリアルタイムで集計されるため、当日の販売状況や売れ筋商品も把握しやすいでしょう。複数会場の売上管理にも活用できます。年間を通じて複数のイベントに出店する方や、今後常設店舗への展開も検討している方に向いています。
STORESレジ

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な機能 | 商品管理・在庫管理・売上分析・EC連携 |
| 月額費用 | 無料〜(スタンダードプラン3,300円〜) |
| 対応決済 | クレジットカード・電子マネー・QRコード(STORES決済と連携) |
| おすすめポイント | ECサイトと在庫・売上を一元管理できる |
STORESレジは、STORES株式会社が提供するクラウド型POSレジです。フリープランは月額無料のため、低コストでイベント出店に活用できます。商品登録・売上管理・在庫管理をアプリ単体で完結できる点が特徴です。
クレジットカード・電子マネー・QRコード決済はSTORES決済と連携することで対応でき、来場者の多様な支払い方法に応えられます。
売上レポートは自動生成されるため、イベント終了後すぐに売上状況を確認できます。バーコードスキャンでの商品登録にも対応しており、出店前の準備時間を短縮できるでしょう。
STORESのネットショップと在庫を同期できるため、イベント販売とネットショップの在庫を一元管理できます。低コストでPOSレジを始めたい方や、EC販売との一元管理を重視する方に向いています。
ユビレジ

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な機能 | 売上管理・顧客管理・店舗管理・データ分析 |
| 月額費用 | 6,900円〜 |
| 対応決済 | クレジットカード・電子マネー・QRコード |
| おすすめポイント | 飲食業向け機能の充実度とサポート体制 |
ユビレジは、iPad専用のクラウド型POSレジで、シンプルな操作性と手厚いサポート体制が特徴です。商品管理や売上分析を標準搭載しており、イベント出店時の会計業務をスムーズに行えます。操作画面がわかりやすく、初めて使う方でも扱いやすいでしょう。
クレジットカード・電子マネー・QRコード決済など各種キャッシュレス決済に対応でき、来場者の多様な支払い手段に応えられます。売上データはリアルタイムで集計され、商品別の販売状況をすぐに確認できます。
オフライン時でも一部機能を継続利用できるため、電波の不安定な会場でも安心して使えるでしょう。サポート窓口も用意されており、導入時や運用時の不明点を相談しやすいことも強みです。
年間を通じて定期的にイベント出店している方や、今後常設店舗への展開も見据えている方におすすめです。
イベント向けPOSレジ導入にかかる費用の目安
POSレジの導入費用は、「初期費用」「月額利用料」「決済手数料」に分けて考えます。イベント向けのタブレット型POSレジは、アプリ利用料を無料〜数千円に抑えやすい一方、iPad、カードリーダー、レシートプリンターなどの周辺機器費用がかかります。
導入費用の目安は、最低限の構成で数万円程度、周辺機器を一式そろえる場合は10〜25万円程度です。月額費用は無料〜7,000円程度、決済手数料はおおむね、2〜3.3%程度で、複数台で運用する場合はさらに費用が増える可能性があります。
必要な機能と費用のバランスを見ながら比較検討することが大切です。
IT導入補助金を活用してPOSレジを導入する
POSレジの導入コストを抑える方法のひとつとして、デジタル化・AI導入補助金(IT導入補助金)の活用が挙げられます。これは、中小企業や小規模事業者が業務効率化やデジタル化を目的にITツールを導入する際、対象となる費用の一部について補助を受けられる制度です。
POSレジシステムも、条件を満たせば補助対象に含まれる場合があります。補助内容は申請する枠によって異なりますが、ソフトウェアの購入費やクラウド利用料、導入支援にかかる費用などが対象となるケースがあります。
参考:デジタル化・AI導入補助金(IT導入補助金)|公式サイト
よくある質問
Q.イベント出店にPOSレジは必要ですか?
必須ではありませんが、キャッシュレス決済への対応・会計ミスの防止・売上管理の効率化を考えると、導入するメリットは大きいです。無料で使えるPOSレジも多いため、まず試してみることをおすすめします。
Q.無料で使えるPOSレジはありますか?
Square、Airレジ、スマレジ(フリープラン)、STORESレジ(フリープラン)は月額無料で基本的なPOS機能を利用できます。ただし、決済手数料は別途発生します。出店頻度が少ない方は、月額無料のプランから始めることをおすすめします。
Q.電波のない会場でも使えるPOSレジはありますか?
スマレジやSquareはオフラインモードに対応しており、インターネット接続が不安定な環境でも会計を継続できます。ただし、キャッシュレス決済はリアルタイムの通信が必要なため、オフライン時は現金会計のみとなる場合があります。事前に公式サイトで対応状況を確認してください。
まとめ
イベント出店向けPOSレジを選ぶ際は、コンパクトさ・オフライン対応・複数決済への対応・料金体系のシンプルさの4点を確認することが重要です。
この記事で紹介した5製品はいずれも商品管理・売上管理・決済機能を単体で備えた本格POSレジです。月額無料から使える製品から月額費用がかかる製品まで幅広くあるため、機能や予算に応じて必要な条件を確認しながらも自分の出店スタイルに合った一台を選んでください。
実際の運用をイメージしておくと、導入後もスムーズに活用できます。
小売店向けPOSレジおすすめ12選や雑貨店向けPOSレジおすすめ10選についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。



